カリカチュールがやってきた!の見どころ
「カリカチュール」は1830年パリで創刊された画期的な絵入諷刺雑誌です。
言論弾圧を発端に起こった七月革命の昂揚した空気のなか、諷刺画家であったフィリポンが主宰となり、自由と平等の精神のもと、変節していく七月王政に対し痛烈な批判を繰り広げます。
「カリカチュール」誌は、ヴィジュアルを重視した出版物の先駆けでもありました。
新しい版画技法であるリトグラフをいち早く取り入れ、若手画家を積極的に起用し、質の高い諷刺画を毎号掲載。
娯楽が限られていた当時、同誌の諷刺画は強力な訴求力を発揮し、とりわけ時の王ルイ・フィリップの下膨れの顔を洋梨に見立てた姿は、王のアイコンとして圧倒的人気を博しました。
本展では筆頭画家として活躍したグランヴィルはじめ、後半に痛烈な表現で同誌を牽引したドーミエなど創意に富んだ「カリカチュール」誌の主要な諷刺画を紹介します。また同誌廃刊後、夢想的な挿絵画家へと転身し、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えたグランヴィルの後半生にも注目します。
「諷刺とユーモア」をテーマに数々の展覧会を開催してきた伊丹市立美術館が、「カリカチュール」誌とグランヴィルを特集するのは初めての試みです。
19世紀諷刺画の黄金時代を、ぜひご体感ください。
カリカチュールがやってきた! 開催情報
会期:2019年1月12日(土)〜2月24日(日)
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30 まで)
休館日:月曜日(但し1月14日、2月11日は開館、1月15日、2月12日は休館)
住所:〒664-0895 兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20
TEL:072-772-7447
入 館 料:一般500(400)円、大高生250(200)円、中小100(80)円